ギャルゲー(エロゲー)アニメの難しさ

ましろ色でふと考えた事ですが、やっぱりギャルゲーのアニメ化は難しいなあと改めて感じました。 ツィッターでも今回のましろ色の件で、ギャルゲーのアニメの課題的な物を呟いてる人いましたね。 そう考えると今期のマジ恋の路線はある意味アニメに適したものだったのかもしれません。結果論ですけどね。

ギャルゲーのアニメ展開方法は多岐に渡ると思いますが、個人的にこんな感じで分類しています。

1.ルート固定
2.オール
3.オリジナル
4.リセット

ルート固定は、今回で話題に上ったましろ色とかがそうですね。1つのヒロインのルートを取り上げる事でラストまで一直線に進む手法。 物語的には非常にやり易いので、制作側には有難いですが、ヒロインを固定化してしまう為に、視聴者をふるい落としてしまう危険性が高いのが難点ですかね。

オールは各ヒロインの話を要点を取り上げながら、話を進めていく手法。ほぼ全てのヒロインに焦点を当てていくので、幅広い視聴者からの支持を受けられるかと思います。反面、登場人物の掘り下げが難しく、話全体をまとめにくい。消化不良に陥り易いという難点もあります。1クールが多いギャルゲー原作ではこの手法が最も一般的だったりすると思います。

オリジナルは原作の流れを無視した制作側の腕が試される手法。他の3つとは違い、原作既読者でも新鮮な気持ちで楽しめるのが利点。作る側にとっても制約が最も少ないのも〇。ただ当たればデカイですが、外した時のダメージもまたデカイのが弱点。原作色を良くも悪くも完全に壊すので、原作ファンをアンチに向かわせやすいのもある意味弱点ですかね。

リセットは各ヒロインの話をオムニバス形式にまとめたもの。ルート固定・オールとは違い、全てのヒロインの話を最初から最後まで展開出来ますし、整合性もいちいち考えなくて良いのが利点。制作側・視聴者側にとっても作りやすい・見やすいのでいい事尽くめですが。問題はボリューム。ヒロインが少ない・2クール制作ならば、問題ないでしょうが、そうでない場合はやり繰りが非常に大変。最近だとアマガミがこの手法で成功しています。

こんな感じでまとめてみましたが、これ以外にももっとあると思います。

ギャルゲー原作のアニメとして成功している!と胸を張って言えるのよく考えれば中々ないんですよね。 強いてあげれば『To Heart』ぐらいか。あ、『うたわれるもの』もその区分に入れてもいいかも。 成功の区分を広げれば他の色んな作品も入れていいと思いますが、商業的に見ても数字はいまいちというのも多いし、評価を見ても、多様な価値観が混在し、真理が見えにくいというか。何気に正当な評価が難しいジャンルだと思います。

ただ昨今のアニメを支えているのはこうしたギャルゲ原作だというのもまた間違いないです。 オリジナルアニメが少なくなった今、漫画・ラノベといったジャンル共々にギャルゲは安定した作品供給を続けていると思いますし。 『リリカルなのは』『Fate/Zero』のように派生作品が生まれる事もありますし。最近では虚淵玄のようなクリエイターの発掘事例もあります。 難しいジャンルだとは思うんですが、その分当たったときの見返りも大きいのだと思いますね。

まあ作るのが難しい割にはアニメの批判の矢面に立たされる事の多いジャンルですが、僕は応援していこうと思っています。