身長による見栄えは重要か?否か?―アル・パチーノから連想した小話

僕は映画役者の中で断然アル・パチーノが好き。何で?と言われると上手く説明できないのだけれど、とにかく彼はエネルギッシュであり、見る者を圧倒する。だけど一番好きなのはやっぱり『目』かな。彼の目の演技、本人が意識してるかどうかは知らないけれど、見ている側としては惚れ惚れする。アルとの出会いが、出世作でもあり名作でもある『ゴッドファーザー』。この作品は後にアカデミー賞を受賞する役者が名を連ねている。今となってはオールスター映画と言っても差し支えないかもしれない。マーロン・ブランドもこれで息を吹き返した。コッポラが世界に名を轟かせる契機となった。色々な人の人生の転機となった作品だし、語られるテーマもまた味わい深いものだ。男なら必ず見とけ!って僕は言うかなw

さてウチの嫁さんはアル・パチーノが好きではないらしい。何で?と理由を聞くとズバリ『身長高くないじゃない。日本ではまだいいかもしれないけど、アメリカみたいに女優さんが背が高いと画面が映えないわよ』と言う。う〜ん、確かに否定は出来ない。俳優の身長のバランスというのは確かにある。それは制作側も問題に感じていて、昔の映画では背の高い女優さんは何かと苦労したなんて話も聞くからね。これアニメだとどうなんだろう?ってふと考えてみたけど、あんまりネタが思いつかないので辞めた。ああ、そういえば『お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!!』で委員長の身長が実は意外に高い事に気付いて、それで主人公とのツーショットに違和感を多少なりとも感じたという記事を何処かで書いたなあ。アニメではそんなに意識する事少ないけど、やっぱりキャラ毎の身長のバランスって案外重要な気がする。


僕の大好きな映画の『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』より、アル・パチーノのダンスシーン。相手している女優はガブリエル・アンウォー。見てもらうと分かりますけど、2人とも身長のバランスが取れているかと聞かれれば、もうちょっとパチーノに身長欲しいかな〜と感じる人いると思う。そうでなければ僕みたいに『これはこれでバランス取れてるだろ』みたいな人もいる。この作品を知らない人にちょっと解説すると、パチーノ演じる主人公は退役軍人で盲目という設定。なので個人的にはこれで全然オーケーなんですよ。盲目でこれだけ踊れるんですよ!しかもあの女性タンゴ知らないって言うからわざわざリードしてるんですよ!ついでに言えばガブリエル・アンウォーの見せ場ってここだけなんですよ!

ゴッドファーザーでもパチーノとダイアン・キートンが踊るシーンありますけど、これは逆に本当にバランス取れてないと思う。キートンが既に役が決まっていて、パチーノが後から入った感じなのでしょうがないと思うけど、それでもパチーノを使う!!と決めたコッポラの先見の明は凄いなあと思う。これでパチーノとジョン・カザールは出世したから。身長の話しからズレましたけど、アニメに比べて実写はその辺り意識される傾向強いですね。嘘か本当か知らんけど、『アイズ・ワイズ・シャット』でトム・クルーズニコール・キッドマンが夫婦共演を果たしていて、その時は特別何も思わんかったけど、後で2人が別れた時の話でキッドマンが『トムは自分の身長が低い事を気にしていたわ』との言葉を残したというエピソードがあるけど、かのヒトラーも自分の身長が低い事を気にして、身長の高い親衛隊を廻りに置く事を嫌ったという逸話もあるしね。

まあ以前書いた関口可奈味さんの話とも通じますけど、アニメの場合に置き換えて考えてみると、やっぱり体のバランス・顔のバランスって大事。三次元と違って、二次元は修正できるから、そこが良いと思う。実写はそうはいかないから、画面上でのごまかしが効かない。そこが厄介。ただ今はCGとかあるから、以前ほど問題視されていないのだろうけれども。強引にまとめちゃえば、身長による見栄えってのは確かにあるけど、それは極端に気にする人は気にするけど、ほとんどの人は映画に夢中で役者の演技に魅了されて、大して気にしないんじゃないかなというのが僕の考え。違和感を指摘されるようなら、それはその人にとって本当につまらない映画か役者さんって事でしょう。つまりこの考えで行けば、嫁さんにとってはアル・パチーノは大したことない役者に―いや本当に凄い役者なんだけどなあ。女性には魅力伝わりづらいのかな。

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