とある科学の超電磁砲 OVA

とある科学の超電磁砲OVAを視聴。

レールガン。本当にOVAも最高でした。本編もここ最近のアニメの中では完成度がズバ抜けて高かったのですが、OVAもそれに恥じない立派な作品として成功しているといっても過言ではないです。序盤の黒子のテレポートを使った絶妙な演出といい、遊び心満載のOPといい、ラストの美琴のレールガンで悪を叩きのめす爽快感といい、バラエティに飛んだ30分でした。佐天の行動が結果的に事件解決に結びついたというのも、テレビの活躍を想起させる展開でしたね。しかし今回の主役はなんと言っても黒子。美琴の不安を取り除こうと、事件解決に奔走していたのが非常に印象的でした。それだけの活躍をしながらも、見せ場はきっちり美琴に譲り、きちんとフォローまでもするその甲斐甲斐しい行動はまさに妹として相応しい姿ではなかったかと思います。『誰かに見られている』冒頭に映し出される台詞であり、この話のテーマでもあるこのフレーズはラストのオチでもしっかりと活かされており、相変わらずノリだけ突っ走っているように見えて、よく計算された構成だなと感心しました。

OVAで一番良かったのは何といってもOPの素晴らしさでしょうね。映写機を使って、彼女達が撮影した物を美琴が振り返っている。そういう設定の下で作られたOPですが、映写機の古い画質が雰囲気を出してましたし、何より美琴達の日常がきちんと描かれていたのが素晴らしいです。レールガンの魅力としては女子学生の等身大の日常が一番に挙げられます。変にアニメアニメしてないで、現実にこういうことして女子達は遊んでいそうだよな〜と視聴者に思わせるリアルな描写がこの作品が他とは違う！と思わせてくれる要因だと思うのです。日常を描きつつも、シリアスな場面ではきちんと決めてくれる。そういったメリハリの良さも作品の魅力ですが、根幹としては『リアルな女子学生の日常』があると思います。

過度の能力開発の煽りが今回のOVAでも事件の発端となったわけですが、インデックスに比べ、レールガンは学園都市の内部の問題をテーマにしている感があるので、個人的にはスケールがいい具合でまとまってて、話を作りやすいのかな？とも思います。学園都市は表面上は華やかですが、結構ダークな面もあったりして、不思議な魅力を感じていました。インデックスでもその面は強調されてはいましたが、どうしてもそこだけに集中して話を作るということは無理そうでした。ですが、レールガンでは一貫してその問題に話を終始させているので、学園都市の世界観自体に魅力を感じている私にとっては元々相性が良かった作品なのかもしれません。是非とも2期を希望したいのですが、原作のストックが集まらない限り無理でしょうかね。外伝なのが勿体無いくらいなのですが、2期の実現を信じて気長に待つとします。

OVA「とある科学の超電磁砲」[Blu-ray]
	おすすめ平均 OVAとしては完成度が高い 佐天さんの もっとみたい！ J.Cありがとう。 何かがもの足りない Amazonで詳しく見る by G-Tools