神のみぞ知るセカイ

ギャルゲーが一つの題材ということで少しは興味あったんですけど、それでもノーマークに近い存在でした。漫画雑誌をあんまり買わない人間だし、原作が連載されているサンデーは『かってに改蔵』が終わってから立ち読みすることもありませんでした。

しかし、試しに1話を見てみたら、主人公桂馬の荒唐無稽な発想や行動力に大笑い。特に綺麗に話を展開しているわけでもないのに、半ば無理矢理に起承転結の過程を行ってしまう強引さ。それと最初は古臭いキャラだな〜と思っていたエルシィの可愛さに気づいてからはこの作品好きになってしまいました。ギャルゲー攻略のノウハウを現実世界でも活かす!ってそれだけ取れば斬新だろうとは思いますけど、そもそもこの作品自体二次元ですからねえw メタっぽい雰囲気を感じます。なのでこの作品の楽しみ方は、前述した通り、桂馬の発想や行動力をどれだけ視聴者がネタとして受け入れられるかにかかっており、キャラの個性であくまで勝負している作品といえるでしょう。設定うんぬんはありがちで王道の域に入っています。それと俺妹と同じくこれも倉田英之脚本なんですね。倉田さんの脚本は個人的にはツボなので、この作品が気に入ったのは、それも関係しているのかなと思ったりもしますが。

オタクって行動力ないように見受けられますけど、実際は自分の欲望を満たす為なら、どんな苦行にも耐えるし、望みを叶えるために色々動き出したりもするアクティブな種族だと思います。ただ一般人以上に自分の興味のない事には率先して動こうとはしない為に行動力に関しては低く見られがちですが。主人公桂馬もそうしたタイプではありますが、目的を自分の大好きなギャルゲーの攻略に置き換える事で、どんな不条理にも耐えたりして、狙ったヒロインを攻略していると思います。そうした桂馬の努力を視聴者は見ているからこそ、どんな強引なゴールインでも、納得してしまう部分が少なからずあるんじゃないかなと思います。オタクは欲望に忠実であるからこそ、どんな困難にも耐えることが出来る!作品はそうしたテーマを別に強調しているわけではないですが、そういう面を知ると、色々な世の中の出来事に立ち向かえる気がして、なんか勇気が出てきたり。

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相棒となるエルシィの存在も作品を彩る上で充分な役割を果たしています。思えば1話ではかなり唐突な出現をした割には、2話ではもうすっかり作品に馴染んでいますよね。エルシィがオープンな性格なので、自分の境遇を桂馬に早い段階で喋ったのが、閉鎖的な心の持ち主の桂馬の信頼を勝ち取ったといえるでしょう。ただエルシィは桂馬の攻略過程においてそこまで役に立っているかというと案外そうでもないと思います。羽衣における補助はありますが、あくまで標的の攻略は桂馬一人任せ。お掃除係を三百年続けていたというのも納得の実力の無さの証明とも言えるでしょう。この点でまだこの二人はパートナーという認識を視聴者にさせるには充分ではなく、桂馬がギャルゲー好きというのもありますが、兄妹という設定をこの二人に持ち込むことでその違和感を早く解消させたいという狙いもあるのでしょうね。まだまだ序盤なのでエルシィが今後化けていくかも分かりませんが。それと攻略対象のヒロインが桂馬と過ごした記憶がリセットされるという設定。これは実に面白い。ギャルゲーの設定をそのまま持ち込んだ訳ですが、各ヒロインの話を際立たせる上では欠かせないピースだと思います。今後の桂馬のヒロイン攻略も楽しみですね。

God only knows~集積回路の夢旅人~ テレビアニメ「神のみぞ知るセカイ」OPENINGテーマGod only knows~集積回路の夢旅人~ テレビアニメ「神のみぞ知るセカイ」OPENINGテーマ
Oratorio The World God Only Knows

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