日本代表の問題点

無事日本代表はブラジルW杯を決めたわけだけど、正直手放しで褒められるレベルではなかった。失点に関しては川島が批判の矢面に立ってるけど あれはアンラッキーの類だと思うので、可哀想な面もある。守備に関しては松木の指摘通り、守備の鍵を握るとされていた今野が充分に対応できていたので、そこを変更したせいでリズムが狂ったとか言われているが、ザックは引き分け狙いに走ったわけではなく、純粋に長友を攻撃参加させたかっただけじゃないだろうか。元々W杯出場に関して言えば、日本はオージー戦を迎える前より、勝ち点や得失点差を考えれば、99%間違いなく出場可能な所にいたのである。そして日本は今までホームの地でW杯を決めたことがない。それが引き分けによる結果ではなんとも華がない。リスクを侵しても勝利する事へザックは賭けたのだ。ヨルダン戦、ブルガリア戦と2連敗をし、決して調子が良いとも言えないチームを勝利を飾ることで、今後控える試合に勢いをつけていきたかったのでは―オージー戦に勝利する事は、ただの勝利ではない。勝てばその時点でW杯が世界最速(ホストのブラジルを除いて)、しかも超満員の埼玉スタジアム、ムード的にもこの試合での勝利はリスクを侵してでも、掴みたかったのがザックの本音ではなかったかと思う。実際失点するまでは日本は決定機を何度も演出していたし、守備に関しても危ない場面はあったものの、よく抑えていた。内容だけ見れば、引き分けで終えていい展開では決してなかったはずだ。

日本のシステムは4-2-3-1がベストという結論が出ているが、本大会を見据えた場合、オプションがこれだけというのは何とも頼りない。そもそもワントップに据えるFWが磐石でない。レギュラーの前田は今シーズンJでは苦しんでいるように、1年後も彼が安泰という保障は無い。これに関してはハーフナーの更なる飛躍と今試合召集した工藤等の台頭が望まれるところだ。ハーフナーは代表では思ったようにフィットせず苦しんでいるようだが、フィテッセでは監督が様々なポジションで起用し、ポストプレー等の教育もコーチと行っているという。可能性としてはザックの思い描くプレースタイルを習得できるかもしれないのだ。本大会出場を決めた今、ハーフナーをこれまで以上に育てないことにはタフな試合は戦えないと思う。見切るなら工藤or豊田or大迫もいいかもしれない。どちらにせよ、ザックはFW陣の運用についてはそろそろハッキリと答えを出す時期ではないかと思う。前田・ハーフナー体制でいくのなら、ハーフナーへの時間を増やすべきだし、そうでないのなら、速めに切り捨てるべきである。3-4-3を本採用するのかといった面からも、まだ1年あるのか、あと1年しかないのか、ザックの手腕の見せ所である。

問題点は叩けばいくらでもあるのだが、あんまり一気に書くと疲れてしまうのでこれくらいにする。 正直日本代表の課題は多い、先ほど挙げたFW陣もそうだが、2列目やボランチ、DFもアップデートする必要を迫られている。 オージー戦希望がまったく見えなかったかというとそうでもない。長谷部が守備に躍動していたのが収穫か。 あんまり目立たないし、批判される事も多いが、長谷部は展開力がないだけ(遠藤と比べられるのであれだが)で高いポテンシャルを感じる選手ではある。ただその攻守のバランスを本人が試合中に活かしきれてない気がする。ダイナモ的な感じで、時に果敢に攻め上がり、時にボールを持った相手に襲い掛かるといった要素が、状況に応じて発揮できればいいのにと思う。そうすれば代表のリズムがもっとよくなるはずだ。まあそんな事出来てたらとっくにワールドクラスの選手になってますよねって話になるんだけど。細貝がすぐにカード貰っててあんまりよくなかったせいで、いつもより色眼鏡で見ちゃったのかもしれないがw